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ヴィーガンアイスクリーム
gourmet

射水市・内川沿いに佇むヴィーガンカフェ
〈8ablish TOYAMA〉が考える「食と農」 | Page 2

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多様な社会における食の選択肢として
ヴィーガンが「当たり前」になる時代

「ヴィーガンである以前に、ナチュラルもしくはオーガニックであることを目指しています。お店で使う素材はほとんどナチュラルなものを選んでいます」(川村さん)

皿にのったストロベリーアイスクリームとレモンマフィンのセットとコーヒー
イートインメニューのアイスマフィン(ストロベリーアイスクリーム&レモンマフィン)は1100円。ヴィーガンアイスクリームは濃厚でなめらかなのに後味さっぱり。

“私たちがヴィーガンを選択するのは 最も多くの人が同じ食卓を囲み 豊かな食事と時間をシェアできるから” とホームページにもあるように、アレルギーを持つ人や、宗教上の理由などで食スタイルが違う人同士でも一緒に食事を楽しめる、ポジティブな選択肢がヴィーガンだったといいます。

さらに意識したのは、動物性の食材や小麦を使っていないにもかかわらず、ヴィーガンではない人でも物足りなさを感じることなく、おいしくて楽しいクリエイティブなフードでもあるということ。

店内から見える内川の景色

「最初に始めたお店も、入り口はおしゃれでワクワクするようなカフェがある。それが実はヴィーガンだったという順番で広まっていったんですけど、私はそれが良いと思っています。

当時はサブカルチャー全盛期の時代ということもあって、シェフはレゲエやダブといった音楽をやっている人たちでもありました。その流れでカフェでイベントを始めたりするうちに、音楽やカルチャーを通じてヴィーガンへの理解が深まっていった感覚があります」(川村さん)

店内で販売されているお米とナチュラルティー
エイタブリッシュの農場でつくっているお米も販売。商品のパッケージデザインは川村さんが手がけている。

国際化や多様な社会における食の選択肢として、今やヴィーガンはワールドスタンダード。それはエイタブリッシュのお店を構える東京でも富山でも、等しくあるべきだと考える川村さん。海外からの観光客も増えている今、全国的にも求められているといいます。

インタビュー中の加治幸大さん
〈北陸ポートサービス〉は、幸大さんの祖父である加治実さんが創業。社名のとおり、もとは港関係の仕事から始まった。

「せっかく日本に来て食べることを楽しみにしていても、選択肢がないのは残念ですし、私たちも本当の意味でのおもてなしができていないということになりますよね。世の中には、違った背景や価値観を持つ人たちがいます。エイタブリッシュを通じて、多くの人にとってのより良いきっかけづくりを担っていけたらいいなと思っています」(川村さん)

テーブルと椅子が用意されたイートインスペース
空間づくりにおいて、店内で扱うものもこだわって選んでいる。こちらの照明はカール・ハンセン&サン、家具はヴィトラ。

豊かな食に恵まれた富山という土地に、ヴィーガンという食の選択肢が存在することは、住む人にとっても訪れる人にとっても大きな意義があります。

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