山のイラスト
〈スパ・アルプス〉のネオンサイン
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日本三大水風呂〈スパ・アルプス〉が
「旅の拠点」として大盛況! 
“聖地”と化した無加工の水風呂に入ろう

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日本三大水風呂〈スパ・アルプス〉で
ミネラルウォーターの水風呂に浸かる

サウナ活動を意味する「サ活」、サウナをめぐって全国を旅する「サ旅」という言葉が誕生した昨今のサウナブームは、第3次サウナブームといわれています。この第3次サウナブームにおいて、“聖地”と化し全国的にも注目を集めているサウナが富山市内にあるのをご存知でしょうか。

富山駅から車で約15分の場所にある〈スパ・アルプス〉は、「北陸 サウナの聖地」と呼ばれ県内外から「天然・無加工」の水風呂を求めて、多くのサウナーが訪れています。

館内に掲げられた、「北陸 サウナの聖地」と書かれた真っ赤な幟
館内には「北陸 サウナの聖地」の幟が。サウナーにとって撮影スポットとなっている。

「サウナーの間では、『サウナの聖地』として全国的に知られているのは、静岡県にある〈しきじ〉さんが有名ですね。誰が言いだしたのかわかりませんが、〈しきじ〉さんと並んで〈スパ・アルプス〉も『日本三大水風呂』と呼ばれることもあり、県内だけでなく遠方からもサ旅でいらっしゃる方が増えました。ちなみに3つ目の水風呂は、熊本県の〈湯らっくす〉とも兵庫県の〈神戸クアハウス〉ともいわれています」

そう話すのは、〈スパ・アルプス〉の支配人・中川智紀さん。

サウナーたちを惹きつける〈スパ・アルプス〉の最大の魅力は、なんといっても「水風呂」。北アルプス水系の伏流水を汲み上げ、その水質の高さはミネラルウォーターに浸かっているようだといわれています。

〈スパ・アルプス〉で使われる天然水と市販ミネラルウォーターの成分を比較した表
〈スパ・アルプス〉のHPに掲載されている市販のミネラルウォーターとの比較表(画像提供:スパ・アルプス)

一般的なサウナや温浴施設の水風呂は、チラーと呼ばれる水を冷却・維持する冷水機や、水質を保つために濾過や塩素消毒が行われていますが、〈スパ・アルプス〉は立山連峰をはじめとする北アルプスのミネラルが豊富に含まれた地下天然水をそのまま汲み上げて、「無加工」の天然水がそのまま水風呂に注ぎ込まれているのです。

温泉の「かけ流し」はよく耳にしますが、〈スパ・アルプス〉は水風呂の「かけ流し」というわけです。

大きな浴槽の水風呂
水風呂の打たせ湯から落ちる水は天然水。もちろん飲むことができる。

そのため水温は17度前後と長く入っていられる水温で、肌を包み込むような水質が多くのサウナーたちにとって巡礼地となっているゆえんです。そして、水風呂の水が「飲用許可」を得ているというのも水質の高さを示しています。

男女それぞれに2つずつ水風呂があり、通常の水風呂とは別に、男湯には泡の水風呂「バイブラ」、女湯には、青い照明で照らされた「青の洞窟」と呼ばれる水風呂を設置しています。

青い照明に照らされた水風呂「青の洞窟」
女湯のみにある水風呂「青の洞窟」。青い照明に照らされてリラックス効果を得られると好評。

また、サウナは創業時からサウナストーンを積み上げて熱する「ロッキーサウナ」を完備。定期的にサウナストーンに水が滴るオートロウリュも当時から導入しているそうです。

創業当時から設置されている「ロッキーサウナ」
オートロウリュで室内の湿度が適度に保たれ発汗効果もアップ。

38年変わらぬ営業スタイルが
サウナブーム再来で「旅の拠点」に

施設屋上に設置された〈スパ・アルプス〉のネオン看板

〈スパ・アルプス〉が創業したのは1986年(昭和61年)。当時の流行していた健康ランドブームを背景に、大浴場や宴会場を含む温浴施設としてオープンしました。

宴会場で食事をしたあとにお風呂に入り、そのまま簡易宿泊施設で仮眠をとるという過ごし方が多くの男性客を呼び込みました。一方、女湯には健康ランドブームに応えてプールを設置して、運動もできてお風呂にも入れるということで、連日多くのお客さんで賑わいます。

創業した38年前から館内施設はほとんど変えておらず、サウナにあるオートロウリュも、水風呂も当時のままだといいます。仮眠スペースをカプセルルームにしたり、女性の浴室内のプールを水風呂にする(前述の「青の洞窟」)など、ニーズに応えた用途変更は行なったものの、大きな改装は行なっていないとのこと。

「当時の名残りとして今でも麻雀ルームがあるのですが、驚いたことに現在は若い子たちの間でも麻雀が流行っているようで、サ活・サ旅でやってきた若い人たちが入浴後に麻雀を楽しんでいます。そのために麻雀ルームのひとつは禁煙にしています。タバコと麻雀は今はセットではないみたいですね(笑)」(支配人・中川さん)

卓数が豊富な麻雀ルーム
昨今の麻雀ブームも相まって昭和レトロが令和と交差する。湯上がり麻雀も楽しみのひとつ。

けっして最新設備を導入しているわけではありませんが、館内に残る“昭和のにおい”が、いまの若い世代にもウケていると中川さん。そんななか、令和世代の間ではこれまでになかった新しいニーズも生まれたそうです。

「不思議なもので大きなリニューアルは行なっていませんが、ブームは一周するもので現在は創業以来の来場客数となり、多くのお客様に楽しんでもらっています。コロナ禍が明けてからもサウナブームは去ることなく、今では若いお客様たちが『旅の拠点』として連泊される姿も見られます。

サ旅でいらしていただいた若い世代は、〈スパ・アルプス〉に連泊して富山・金沢観光の拠点としてご利用いただいております」(支配人・中川さん)

富山グルメに麻雀、漫画喫茶。
〈スパ・アルプス〉は水風呂だけじゃない

テーブル席が並ぶ館内の飲食コーナー

〈スパ・アルプス〉が人気の理由は、水風呂だけではありません。地元の方々、観光客ともに、もうひとつのお目当ては、料亭やホテルなどで修業を積んだ料理人たちによる富山グルメです。

「県内の方々から人気なのが『アルプス御膳』です。富山で獲れた新鮮なお造りを主役に天ぷら、小鉢などたっぷりとお腹を満たしてくれる定食です。

一方、観光客の方々に富山グルメを楽しんでもらおうと用意しているのが、『海津屋氷見うどん御膳』。氷見うどんに、白エビの造りとかき揚げ、サスの昆布締めと、富山の味覚をふんだんに盛り込みました」(支配人・中川さん)

刺身や天ぷらがのった「アルプス御膳」
「アルプス御膳」(1190円)。〈スパ・アルプス〉の看板メニューとして不動の人気。
氷見うどんに、白エビの造りとかき揚げ、サスの昆布締めがセットになった「海津屋氷見うどん御膳」
「海津屋氷見うどん御膳」(1880円)。富山の老舗氷見うどん茶屋〈海津屋〉が監修している。

そのほかにも、唐揚げや串焼きなど酒の肴から、「富山ブラックラーメン」などB級グルメの充実。風呂上がりには最高のおもてなしです。また、富山が誇る日本酒〈満寿泉〉や〈立山〉も取りそろえ、ウイスキーや焼酎、カクテルも用意しています。

さらに、宴会場は最大100名まで予約でき、テレビ、ゲーム、漫画コーナーにボディケア、足つぼ、あかすりなどのエステサービスも完備。若者が宿泊施設として利用するのにも納得の充実ぶりです。

『進撃の巨人』『静かなるドン』などが並ぶ漫画コーナー
漫画は約5000冊をそろえる。湯上がりのリラックスタイムには最適。
〈スパ・アルプス〉のカプセルホテルエリア
テレビつきのカプセルホテルは富山県内では〈スパ・アルプス〉が初。全32室。利用料金は1000円

極めつけはカプセルホテルの利用料が1000円という驚きの金額。水風呂目当てのサ旅はもちろんですが、富山グルメを堪能できるうえ、さまざまなニーズに応える充実したサービスと、このコスパの高さは、サウナーに限らず富山観光の旅のスタイルとして、選択肢に入るには充分すぎる条件です。

Information
スパ・アルプス
address:富山県富山市山室292-1
tel:076-491-5510
access:富山駅から車で約15分
営業時間:24時間
入館料:16:00~翌1:00/2000円 1:00~4:00/1900円
※会員料金・3時間コース料金あり
※火曜・水曜レディースデー 女性1300円
定休日:不定休
Instagram:@spaalps

credit text:山田卓立

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