
ジオラマ風「#富山はかわいい」
ちいさな人間や車がコミカルに動き回っていて、眺めているだけでなんだか笑顔になってしまう。そんなショート動画を作成して公開しているのがインスタグラムアカウント『じおらま富山。』です。映像作家であるWally(ウォーリー)さんが、さまざまな富山のリアルな風景を「ジオラマ風」にアレンジしています。
もともと看護師として働いていたWallyさんは、学生時代にバンド活動に没頭し、曲づくりなども行っていました。そこから映像クリエイターの道へ。かつてよりクリエイティブな表現に興味のあったWallyさんにとっては必然だったのかもしれません。
「軽い気持ちで、ジンバル付きのアクションカメラを買って撮影してみたら、“もしかしたら、おれ、センスあるかも”と思って(笑)」
さらに本格的な機材なども揃え、ビジネスとして映像の仕事を請け負い始めました。ところが次第に興味はアーティスト活動へ。
ピーター・マッキノンやサム・コルダーなど、動画サイトやSNSの世界でビデオグラファーと呼ばれるアーティストが登場しており、Wallyさんが映像アーティストとして活動していくきっかけのひとつにもなったといいます。
それが『じおらま富山。』につながっていきます。「ジオラマ風」という手法は、ある言葉がきっかけになりました。
「チャールズ・チャップリンの名言に“人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ”という言葉があります。それをコンセプトとして具現化してみました」

そして、まるでミニチュアのような、ジオラマのような映像の世界をつくり上げました。今でも本当にジオラマをつくっていると思っている人や、AIだと思っている人も多いようです。スチール写真の世界では、以前からティルトレンズと呼ばれる特殊なレンズを使用してジオラマのように撮影する手法は行われていました。Wallyさんはそれを動画に使用します。
ただし手法や機材の性能に溺れることなく、しっかりと戦略を考えていました。まずはSNSを主戦場に、スマートフォンで観てもらうこと。
「タテにしたときにボケの範囲が多くなって、よりミニチュアっぽく見えます。だからスマホで観るSNSと相性がいいと考えました」
