
SNSは戦略的に
だからこそSNSでの見せ方を追求しています。Wallyさんは『じおらま富山。』のかわいい世界観を表現する一方で、マーケターとして数字を読むことができる能力も発揮しました。
「SNSでバズるアルゴリズムなどは、当初からすべてつくり上げていました。その段階で世界でも人気が出るはず、という確信もありましたね」
最近の一例として、いきなりジオラマ動画が始まるのではなく、レンズを上下に動かすシーンから始める試みを行っています。通常とは異なる、ティルトレンズ特有の動きです。
「こんな風にレンズが動くってどういうこと? というところをフックにして、ジオラマ動画のプロセス自体にもおもしろさを感じてもらおうと思っています」
この動画が始まると、動画内で勝手にカウントダウンが始まります。
「人って、目の前でカウントダウンされるとゼロになるまで見たくなっちゃうものなんですよね。実はカウントの10、9は時間が少し短くなっています。一瞬で“カウントダウン”であることを認識させるためです。滞在時間が大事なので、これだけで10秒ほど稼げるわけです」
このように行動経済学や心理学と経済学の応用、アルゴリズムをすごく分析しているといいます。看護師としてのエビデンスを大切にしていく姿勢が、バンドマンとしてのアーティスト気質と融合しています。
「エビデンスも重要ですし、仮説を自分で立てて実証していくのが好きですね。映像を始める前には、“良い映像”についての論文なども読んでいます。自分のセンスは信じているけど、過信はしていません」
自分の好きなものが、世の中にも受け入れられものなのか、データをもとに確証を得ていく。このバランス感覚が幅広い層に受け入れられるアウトプットとなっているのでしょう。

