富山県の絶品ラーメン！
「富山ブラック」から、味噌、塩まで
地元情報誌おすすめの８店

「富山ブラックラーメン」として全国的に知られるようになった富山のラーメン。濃口醤油の黒いスープが特徴的で、富山の定番の味となっています。でもそれだけではありません。味噌や塩など、各店こだわりのある一杯を提供するお店はたくさんあります。富山県に数あるラーメン屋さんのなかから、地元情報誌『Takt』がおすすめの８店舗をご紹介します。

今回は「ブラックラーメン」をはじめ、行列のできる人気店、昔から愛され続ける一杯などをピックアップ。定番からこだわりぬいた至福の一杯、サイドメニューまで、ここでしか出合えない味わいを満喫してください。

富山名物ブラックラーメンならここ

「富山ブラック」という名がつくずっと前から、醤油ベースの黒いスープは、富山の定番の味。たくさんあるお店のなかから、パンチのある元祖と初心者におすすめのお店をご紹介します。

誰もが知る、富山を代表する味
〈西町大喜〉

富山の定番の味として外せないのが「元祖富山ブラック」こと〈西町大喜〉。昭和22年、富山市で創業者が労働者の塩分補給のために濃い味つけで白飯に合う中華そばをつくったのが始まりといわれています。

濃い口醤油スープに硬めストレート太麺、塩辛いメンマ、山盛りチャーシューを、トッピングの粗切りネギと粗挽きこしょうとともに混ぜ、全体をよくかき混ぜてから味わうのが「大喜流」。塩味の効いたラーメンは、白米のおかずとして食べる人がほとんど。来店の際は、ライスとセットでのご注文がお得で、おすすめです。

富山駅構内にある〈とやマルシェ〉内にもお店を構えているので、本店まで足を延ばさなくても気軽にいただけますよ。

世界に向けて「富山ブラック」を発信する、
唯一無二の存在〈麺家いろは〉

「東京ラーメンショー」に初期メンバーとして参加し、５度も日本一を獲得した射水市の〈麵家いろは〉。業界からも一目置かれる存在で、長年「富山ブラック」の人気の立役者として活躍してきました。

魚醤を使うことであっさりとした仕上がりで、初めて富山ブラックラーメンを食べる人にもおすすめです。「時代の変化に合わせた味の追求」をモットーとする同店では、ブラックラーメンはもちろんのこと、「白エビ塩らーめん（並）」（920円）など、富山ならではの食材を使った独自のメニューも楽しむことができます。

近年はイスラム圏への進出を見据え、袋入り「HALALラーメン」を開発、県内では瞬間冷凍技術で「お店のまま」の味を楽しめる24時間営業の冷凍自販機を増設するなど、新しい動きからも目が離せません。

醤油、塩、味噌。行列ができる人気店

独自のおいしさを追求した味わいは、食べた人にも感動を与えます。そんな味を求めて、日々行列が絶えないお店をご紹介します。

和の料理人がつくる芸術的一杯
〈自家製麺 栗の木〉

和食料理人がつくる、繊細なラーメンが話題の滑川市の〈栗ノ木〉。朝と昼の営業があり（完全予約制の夜営業もあり）、それぞれに違うラーメンを楽しむことができます。

朝、昼の醤油・塩とそれぞれに違うスープを仕込む傍ら、自家製麺も朝・昼の２回打つなど、ラーメンづくりに対して徹底したこだわりを持つ店主。その見た目にも美しいラーメンを求め、多くの人が時間を問わず行列をなす話題のお店です。

ラーメンのほかにも、「海鮮丼」（1000円）や、「和牛ハンバーグご飯」（750円）など、料理人ならではの充実した逸品が味わえるサイドメニューも制覇したくなってしまいます。

朝と昼でメニューが変わったり、たびたび新作が登場するので、Instagramのチェックは欠かせません。

こだわりぬいた素材から生まれる
唯一無二の一杯〈らーめん真太〉

南砺市の福野駅前に鎮座する、塩ラーメンが看板メニューの〈らーめん真太〉。「ラーメンで人を笑顔にしたい」という想いと探求心が、ファンの心を掴んで離さない一杯を生み出しています。

沖縄産、伊豆大島産など厳選した３種の塩をブレンドし、貝柱、利尻昆布の旨みを存分に抽出して仕上げる塩ダレに、丸鶏から生まれる奥深い清湯スープが見事に調和。コシのあるのど越しのいい自家製麺によく絡み、唯一無二の旨さに思わず笑顔がこぼれます。

塩だけでなく、煮干しや鶏、ゴマラーメンなどメニューも豊富。餃子や唐揚げ、炙りチャーシュー丼、アイスといったサイドメニューもすべて手づくりといったこだわりようで、どれも絶品。麺とスープ、チャーシュー（味によって異なる）がセットになったお取り寄せラーメンも好評です。

札幌の名店からのれん分けした
富山の「味噌」〈麺屋つくし〉

札幌の有名店〈すみれ〉で修業を積んだ店主が営む、富山市の味噌ラーメンの代表格〈つくし〉。2022年の12月に日本海側で初めて正式にのれん分けしてからは、ますます富山に欠かすことのできない存在に。すみれの味を継承しながら、富山の食材を取り入れた独自のアレンジが光る「富山の味噌ラーメン」を求めて、連日多くの人が来店しています。

「辛味噌ラーメン」は、特製の味噌ダレに、手づくりの辛みダレと自家製ラー油を独自の比率でブレンド。店の代名詞「味噌」に辛みが寄り添う、魅力的な一杯です。

厚切りの自家製チャーシューが主張するボリューム満点のサイドメニュー「チャーシュー飯」は、じっくり仕込んだ特製の万能ダレが決め手となり、一杯に寄り添う美味に。

本店の店頭やホームページで購入できる「生麺」や「乾麺」、「万能ダレ」などのオリジナル商品は年々種類が増えています。富山のお土産として買い求めてみるのもいいかもしれません。

地元から愛され続ける名店

代々受け継がれ守られてきたラーメンは、老若男女問わず誰もが何度でも食べたくなる味わい。ふと食べたくなる、そんなラーメンです。

愛され続ける昭和の味
〈手打ちラーメン やまや〉

昭和31年の魚津大火直後に店を創業し、令和の現在まで愛され続ける魚津市の〈やまや〉。鶏と豚からダシを取る透明な美しいスープは、あっさりした口当たりのなかに引き込まれる旨みがあり、醤油の香りが鼻に抜けます。小麦粉と水、かん水、塩のみで打つ自家製麺のモチモチした弾力とも相性の良い、昔から変わらない味わいを堪能してください。

現在の店主を務める３代目は、「３世代で来店してもらう姿を見ると本当にうれしいです」と笑顔で語ります。お店とお客さんの歳月がともに流れていく、いつまでも変わらずにあってほしいラーメン屋さんです。

毎日食べたい
良心価格と味わい〈富公〉

創業40年を超え、高クオリティと低価格を両立し続ける「変わらない一杯」を求め、いまなお老若男女が足しげく通う富山市の〈富公〉。豚骨と野菜をじっくり煮込んだスープに秘伝の醤油ダレ、食感豊かな中太麺が絡む「中華そば」（500円）は、まさに王道の一品。目を疑うほどのお手頃価格のメニューにもぜひ注目してみてください。

ジャンボサイズの「ギョーザ」（280円）は、パリパリの皮に包まれた密度の濃いタネの食感、味わいが口いっぱい広がるラーメンのお供に最高の一品です。

丁寧な仕事と愛情が伝わる揺るぎない味
〈ラーメン めんきち〉

創業から37年間、揺るぎない手仕事光る愛情たっぷりの味を求めて、往年のファンやリピーターが足繁く通う高岡市の〈めんきち〉。ベースは10種類以上の野菜やリンゴ、煮干し、豚丸骨、鶏ガラを６時間丁寧に煮込んだオリジナルスープで、これに自家製背脂と多彩な特製ダレを使い分けています。

二枚看板の濃口・薄口の醤油、「みそ」「しお」「つけめん」、季節限定ラーメンなどの人気メニューが展開され、常連を飽きさせない季節感のあるラインナップが魅力です。

「味と良心価格が感謝の気持ち。安心できる手づくりの味を、体力が続く限り提供したい」と話す店主夫妻の、実直な人柄が真摯な一杯に表れています。

まだまだある、たくさんの名店を楽しんで

富山のラーメンはいかがでしたか？　「富山ブラック」だけでもまだまだ多くの名店があり、豚骨、魚介スープや二郎系、つけ麺まで、おすすめのラーメン店は本当にたくさんあります。どのお店も店主の思いやこだわりがぎっしり詰まっているので、ぜひ食べ歩きをして、お気に入りの一杯を探してみてください。

月刊情報誌 Takt

富山の女性の「こだわり」に応え、「お気に入り」を提案する、ライフアップマガジン。2000年12月に創刊して以来、毎月２万５千部を発行し、富山県内、富山隣県のコンビニ・書店にて販売。日刊オンラインTaktでも、富山のさまざまな情報を発信しています。Web｜Takt

credit　edit：Takt編集部