寿司といえば、富山！
まちの名店から寿司居酒屋まで
地元情報誌おすすめの８店をご紹介

「天然の生け簀」といわれるほど、富山湾には多種多様の魚介類が生息しています。また、漁場と港が近いことから、水揚げされた魚はすぐ市場に並び新鮮な状態で出荷されることも、富山のお寿司がおいしい理由のひとつです。富山県に数あるお寿司屋さんのなかから、地元情報誌『Takt』がおすすめの８店舗をご紹介します。

今回は今年オープンしたお店をはじめ、地域に根差したまちの名店、気軽に足を運べるお店などをピックアップ。カウンター席で大将と会話を楽しみながら、富山の地酒とともに味わいながら、気軽にふらっと立ち寄りながら……。さまざまなシーンでお寿司を存分に堪能してください。

2024年オープンの新しいお寿司屋さん

これまでの経験や実力を生かし、新しくお店を構えたお寿司屋さん。大将の想いがうかがえる寿司は絶品です。

カジュアルに楽しめる本格寿司店
〈寿司あず丸〉

一貫100円程度から味わえる、高岡市のカウンター寿司店〈寿司あず丸〉。店主自身も「回転寿司の延長線上の雰囲気で」と、気軽に寄れるお店づくりを心がけています。

また、何の心配もない楽しい食事をしてほしいとの思いで、寿司ネタはもちろん、米や酢、醤油、味噌など使う食材にもこだわっています。特に特製すし酢は、小矢部市〈アサヒ醤油味噌〉で試作を重ねたもので、新鮮な寿司ネタや小矢部産コシヒカリのシャリによく合います。

ネタは新湊や氷見の港を中心に富山湾の魚介を仕入れ、この道25年の店主が握る寿司は、開業直後から早くも好評です。

大将だけの技が織りなす
唯一無二の味〈鮨 たねや〉

富山空港内にある人気寿司屋で大将を務めていた種口英輝さんが立山町で独立した〈鮨 たねや〉。寿司ネタはマグロ、イクラ、アナゴ以外すべて富山で水揚げされた旬の魚介を使用。シャリは富山県産米に玄米黒酢と米酢の合わせ酢で調えます。立山の手づくり醤油や滑川海洋深層水の塩など、徹底して地場の素材を生かした寿司は、まさしく“富山寿司”。

「寿司は素材が９割。魚介のポテンシャルを最大限に引き出す仕事をするだけ」と大将。たとえばマグロには50回もの隠し包丁を入れて旨みを引き出し、飲めるほどのやわらかさで提供します。このように自身で研究した大将ならではの技は16もあるそうで、素材と技が一体となった最高の一貫に仕上げています。

ほかにも、仕入れ先にこだわるカニ、カニ味噌、白エビの軍艦巻きは、素材の旨みと甘みが口の中で広がるおいしさで、これを求めて訪れる人も多いそうです。

地域に根差したまちの名店

地元漁師が太鼓判を押す港町の名店や、まちなかで富山の旬を握り続ける名店など。地元住民がおすすめするお寿司屋さんの暖簾をくぐれば、そこにはとびきりのおいしさが待っています。

人情味あふれる
魚津の老舗〈太助鮨〉

魚津駅から歩くこと３分。飲食店が軒を連ねるエリアの一角に佇む、創業42年の老舗寿司店〈太助鮨〉。暖簾をくぐると、「いらっしゃいませ！」と威勢のいい声とともに迎えてくれます。

そんな温かく、気取らない雰囲気のなかで味わう寿司は、舌の肥えた漁師町の地元客をも唸らせる逸品揃い。一貫一貫を握る姿勢、繊細な飾り包丁からも丁寧な仕事が見て取れ、ひと口食べるごとに思わず顔がほころんでしまいます。使う魚は信頼のおける地元鮮魚卸店から、魚津漁港で水揚げされた旬のものを毎朝仕入れており、予算や好みに応じておまかせで握ってくれるのもうれしいところ。

店内の壁には、かつて先代が集めていた絵画や書が飾られているほか、店主自ら行く先々で買いつけたという洒落た器の数々も、美しい寿司にさりげなく華を添えます。ユーモアたっぷりで気さくな店主やスタッフとの会話も楽しみながら極上のお寿司が味わえます。

確かな技と親しみやすさが溶け合う名店
〈歩寿司 本家〉

昭和52年の創業以来、富山の旬を握る〈歩寿司 本家〉。お客さんの食べるスピードやシチュエーションを読み取りながらひとりひとりに寄り添い、お寿司を提供するのが店のモットーです。

地魚は富山県内全域の漁港に水揚げされたものを仕入れ、鮮度抜群。おいしさや食べやすさを追求した創意工夫にも余念がなく、ノドグロは握る３分ほど前に塩をふる、アジは捌いてからすぐに使わない、イカに隠し包丁を入れるなど、一貫の握りにこだわりが詰まっています。

「富山湾鮨」は、活魚はもちろん昆布〆を目当てにする人も多く、昆布〆に使った昆布をガリに加えているのも、ここならではのおもしろいアイデアです。

朝と昼の１日２回仕入れる新鮮魚介が推し
〈寿し処 浪花鮨 本店〉

射水市の新湊で一番の歴史を持つ老舗の寿司屋〈寿し処 浪花鮨 本店〉。新湊漁港の買参権を持ち、長年の経験に裏打ちされた確かな目利きで活魚を仕入れています。セリには朝と昼の１日２回参加しており、新鮮な魚を、リーズナブルな価格で提供するのがモットー。

新湊の漁師は定置網や底引網、一本釣りなどさまざまな漁法を行うため、水揚げされる魚介も種類豊富。特に冬はブリ、カニ、白子、バイ貝、甘エビといった全国に誇るネタが多い時季。１貫ずつはもちろん、盛り合わせ、丼、ちらしなどさまざまなメニューで堪能できます。

冬は新湊のカニを目当てに訪れるお客さんも多いそう。お店に水槽を持っているので、鮮度抜群なカニを提供（予約のみ）できるのも魅力のひとつです。席数も多いので、大人数への対応も可能。その日にとれた新湊の魚介を存分に味わってください。

気軽に味わえるのがうれしい寿司居酒屋

カジュアルな雰囲気でお寿司が堪能できるのがうれしい寿司居酒屋。とはいっても、その味は本格的で納得のおいしさです。ひとりでふらっと、みんなで賑やかに、さまざまなシーンでお寿司を満喫あれ。

つまみのような感覚でにぎり寿司を
〈寿司酒場 鈴丸〉

富山市の〈寿司酒場 鈴丸〉は、お酒で酔いしれながら、とことん富山の味を堪能できるお店。富山県内でとれた魚を中心に使用する料理のほか、富山名物「ブラックラーメン」を彷彿とさせるぶり大根や、オーダーメイドの富山県の形をしたお皿など、店主の強い富山愛が感じられます。

料理の味はさることながら、見た目も楽しい多彩なラインナップ。にぎり寿司は、つまみのような感覚で食べられるようにと、シャリの酢は控えめ、ネタは大きめにつくられています。

お寿司のお供には、新しいジャンルの日本酒「クラフトサケ」がおすすめ。軽い口当たりが特徴で、日本酒が苦手な人でも気軽に挑戦することができそうです。「３種飲み比べセット」も提供しているので、ぜひ試してみてください。

活気あふれる新感覚の寿司居酒屋
〈寿司劇場 とっととやれや〉

老舗料理屋〈十々八〉の３代目である北小路昌大さんが大将を務める富山市の〈とっととやれや〉。寿司はもちろんのこと、おつまみや焼物、揚げ物、アルコールドリンクなどメニューも充実しており、気軽に立ち寄ってわいわい過ごすことができるスポットです。

寿司ネタは富山県産を中心に、全国各地でとれた新鮮でおいしい魚を毎日仕入れて提供。目の前で大将が寿司を握る姿が見ることができるほか、週末にはDJによる音楽でライブ感を楽しみながら、カウンターで立ち飲みするのもおすすめです。

富山の地酒とともに味わいたい「あじなめろう」や、油ののったトロをたくあんと一緒に海苔で巻いた「名物トロたく」も、ぜひ食してほしい逸品です。

昼も夜も気軽にお寿司を堪能
〈寿司居酒屋こざる〉

夜遅くまで本格寿司が食べられる富山市の〈寿司居酒屋こざる〉。富山湾の朝どれ魚にこだわっており、鮮度に気をつけながらひとつひとつ丁寧に、かつ迅速に仕上げるプロの技で、食べた人を笑顔にしています。

ランチでは、「ばらちらし」（850円）や「寿司とそば」（1000円）、「海鮮丼」（1100円）のほか、「鶏唐揚げ定食」（850円）などの定食も人気。夜はアルコール各種をはじめ刺身や天ぷら、焼き物、揚げ物など一品料理も豊富に揃っています。

“回らないお寿司＝高い”というイメージを払拭したいという店主の思いから、まちなかのお店にもかかわらずリーズナブルな価格設定も魅力です。営業時間中ならいつでも食べられるお店自慢のお寿司は、醤油なしでもおいしく食べられるほど。お昼にふらっと行くもよし、夜にお酒と味わうのもいいですね。

「寿司といえば、富山」の実力を味わって！

富山のお寿司はいかがでしたか？　回る寿司も回らない寿司も、富山にはたくさんのお寿司屋さんがあり、その味は本当に格別です。鮮度の良さとネタの多さはどこにも引けを取らず、一年を通して旬の魚介が味わえるので、季節ごとのおいしさをぜひ味わってください。

月刊情報誌 Takt

富山の女性の「こだわり」に応え、「お気に入り」を提案する、ライフアップマガジン。2000年12月に創刊して以来、毎月２万５千部を発行し、富山県内、富山隣県のコンビニ・書店にて販売。日刊オンラインTaktでも、富山のさまざまな情報を発信しています。Web｜Takt

credit　edit：Takt編集部