山のイラスト
〈Play Earth Park Naturing Forest〉のアクティビティセンターのイメージパース
travel, well-being

世界的な建築家の共演。
自然あふれる富山県南砺市に開業予定、
プレイアースパーク ネイチャーリング フォレスト

series|とやまwellbeing place

土地の魅力を引き立て、自然と遊ぶ

豊かな自然が残る、富山県の南西部にある南砺市。特に桜ヶ池周辺は、市民の大切な憩いの場となっています。そんな場所に、自然と共生できる場づくりを行おうとしているのが、2027年初夏に開業予定の〈プレイアースパーク ネイチャーリング フォレスト〉です。

40ヘクタールの敷地に6つの施設が建てられる予定。ただし建築といっても、自然の力や景観を生かし、土地と融合し高め合う「装置」になりそうです。

〈ゴールドウイン〉社長の渡辺貴生さん。

「庭や森の中など、自然を通して子どもたちが夢中になって遊び、そこで気づいた不思議さを深堀りできる体験を提供したいと思います。そして桜ヶ池という、地元のみなさまが毎日のように通う身近な自然を通して、人々の生活を少しずつ変えていくきっかけを提案していきたいと考えております」と話すのは、この施設を開発している〈ゴールドウイン〉社長の渡辺貴生さん。

〈Play Earth Park Naturing Forest〉のパークエリアを上空から見たイメージパース
パークエリアのイメージパース。

プレイアースパーク ネイチャーリング フォレストは、3つのエリアにわかれています。まずはパークエリア。子どもたちが直感的に走り出したくなるようなランドスケープになります。2つめはフォレストエリア。自然を観察し、その不思議に出会う場所。3つめは自然の営みに学び、体験できるガーデンエリアになります。

桜ヶ池周辺は、北側に砺波平野が広がり、南側は山並み。「まさに人々の営みと自然の接点に位置する」と話すのは、全体のランドスケープ設計を担当した〈高野ランドスケーププランニング〉の村田周一さん。

「池があり、起伏のある山があり、田んぼや畑がある。とても複雑な地形で、光が当たるところがあれば、当たらないところもある。風が吹くところと吹かないところもあり、多様な“微気象”が生まれます。自然との共生にチャレンジしていくには本当に適した敷地だと思っています」(村田周一さん)

この施設の開発にあたって、ただ環境を利用するだけでなく、具体的な自然への取り組みも行うようです。

「スギの人工林をゆっくり間伐していって、天然林に戻していきます。また森が一部分断した場所があるので、新たな森をつくってつなげていくこと。さらに現在の森、水辺、農地に追加するかたちで、草花の咲く草原環境をつくり、虫、小動物が棲息する環境をつくっていきたいと思います」(村田周一さん)

ガーデンエリアを上空から見たイメージパース
ガーデンエリアのイメージパース。

ガーデンエリアのデザインは、世界的なガーデンデザイナーであるダン・ピアソンさんが手がけます。

「私が日本を愛してやまない理由のひとつに、細部への配慮があります。例えば、5日ごとに季節を変える七十二候。ゆっくりとした時間のなかで、小刻みなサイクルを意識し、環境の微妙な変化を常に感じ取ろうとする素晴らしい世界観だと思います」(ダン・ピアソンさん)

こうした古くから伝わる日本の文化は、現代のガーデンにおいても、訪れた人が自然との関係性を見つめ直すものとなりそうです。

「それぞれの場所において、その土地や風土に適した植物を選ぶことで、七十二候の微細な季節の変化を感じ、楽しむことができるように設計しました」(ダン・ピアソンさん)

こうした自然活動であっても、それだけでは人々の興味関心を惹きにくいもの。そこに建築があることで、環境への意識が生まれます。

今回参加している建築家は、渡辺社長いわく「自然のことをすごく考える建築家」。

「自然との共生や、自然と人間の境目をどうやってつくっていくのか。自然がわれわれにどういう影響を与えてくれてるのか。そういうことを本当によくご存じのみなさんです」(渡辺社長)

渡辺貴生社長、田中幹夫南砺市長、6組の建築家が参加したプレス発表会の様子
プレス発表会にてクリエイターなど関係者が一堂に会した。(前列左から)村田周一さん(高野ランドスケーププランニング)、ダン・ピアソンさん(ダン・ピアソンスタジオ)、渡辺貴生社長(ゴールドウイン)、田中幹夫さん(南砺市長)。(後列左から)本瀬あゆみさん、齋田武亨さん(サモアーキ)、萬代基介さん(萬代基介建築設計事務所)、リナ・ゴットメさん(リナ・ゴットメ アーキテクチャ)、川島範久さん(川島範久建築設計事務所)、マリア・リソゴルスカヤさん(アセンブル)、榊田倫之さん(新素材研究所)。

それを担う6組の建築家は、川島範久さん、リナ・ゴットメさん、萬代基介さん、榊田倫之さん、マリア・リソゴルスカヤさん、本瀬あゆみさん・齋田武亨さんです。

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