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“ローカルコンビニ”という新たな目的地。
〈立山サンダーバード〉を訪ねて | Page 3

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「ついでに寄って行こう」だけでなく
「わざわざ行きたくなる」コンビニへ

立山サンダーバードへのアクセスは、車以外に電車も可能。最寄り駅は富山地方鉄道立山線の「横江」というレトロな無人駅で、お店までは歩いて5分ほどです。県外からの場合、富山駅からローカル線に乗り、車窓からの景色を楽しみながら向かうのもひとつの楽しみ方。いつもの交通手段を変えるだけでも、ちょっとした非日常を味わえるかもしれません。

オリジナルのポストカードや缶バッジ、Tシャツやニットキャップが陳列された棚
店長の敬吾さんが描いているというポストカードや缶バッジ、Tシャツやニットキャップなど、店内には種類豊富なオリジナルグッズがたくさん。

敬吾さんの父・伊藤敬一さんが家族と共にお店を開業したのは27年前。滑川市出身の敬一さんはもともと富山や愛知でサラリーマンとして働き、山が好きだということもあり、独立後は立山連峰の麓であるこの地にお店を構えました。

若い頃はアメリカに留学をしていたこともあるそうで、当時訪れたアラスカ旅行中に、登山家であり冒険家の植村直己さんと偶然出会い、宿泊場所や食事を提供していたのだそうです。店内には植村さんからの手書きのメッセージや新聞記事が飾られていて、熱心に読んでいくお客さんも多いのだとか。

冒険家の植村直己さんと伊藤敬一さんが写った写真が飾られている
創業者である伊藤敬一さんは若い頃、登山家であり冒険家の植村直己さんとアラスカで偶然出会ったという。店内には当時の写真や資料が飾られていた。
日本地図を埋め尽くすように丸シールが貼られている
「どこから来たの?」MAPは現在第5弾に突入中。国内外からさまざまな人がお店を訪れていることがわかるが、特に富山と東京に集中しており、もはや立体アートの域。

多くの人を引き付ける理由は、コンビニでありながらも個性溢れる品揃えと創造性に富んだお店づくり。

どこにでもあるものではなく、ここでしか買えない商品。思わず突っ込んでしまうような異色メニューの数々。コミュニケーションを求めてお店にやってくる人が多いのも、家族経営のお店でしか得られない魅力があるからこそ。その”偏っている”けれども真っ直ぐな表現に多くの人が心つかまれ、引き寄せられてしまうのです。

〈立山サンダーバード〉の店先に立つ伊藤さんご家族
店名は富山の県鳥である「雷鳥」に由来。敬吾さんの父であり代表の伊藤敬一さん(左)、母・三知子さん(中央)、代表代行の敬吾さん(右)の家族3人で経営している。
Information
立山サンダーバード
address:富山県中新川郡立山町横江6-1
tel:076-483-3331
access:富山地方鉄道立山線「横江駅」より徒歩5分。北陸自動車道「立山IC」より車で約15分
営業時間:6:00~18:00
定休日:年中無休
Web:立山サンダーバード

credit text:井上春香 photo:石阪大輔

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